仮面ライダー響鬼の楽しみ方
仮面ライダー響鬼はいろいろなトラブルがあった作品でもあり、仮面ライダーファンの中でも手を出しかねている人もいる。
また視聴した人の中にも、偉そうなおじさんが道徳的なことを言ってくる番組だ、これは偉そうにしたい権力欲に飢えたおじさんが見て楽しむ番組だ。作り手の押しつげが強い駄作だ。なんて言う人もいる。
作品の見方は人それぞれなので、それらの感想が間違っているとは言わない。しかし私には違った見方もある。
1「仮面ライダー響鬼」を楽しむ上で一番大切なこと。
仮面ライダー響鬼を楽しむ上で一番大切なことそれは「ヒビキは別に完璧な人間ではなくけっこうやらかしている人だ」ということを意識した上で見ることである。
ヒビキは劇中でかっこいいことを言っているし、明日夢が困った時に相談に乗ってくれる人でもあるから、ぱっと見、ウルトラマンのようになんでも解決してくれる完璧超人のように見えてしまう。
しかしよく見てみると、そんなことは全くない、結構変なこともやってるし、微妙なことも言っている。そのせいで明日夢や京介を傷つけたりもしている。とても人間らしい人なのだ。
それでも明日夢たちや後輩に向かって、できることをやろう、言えることを言おうとしている人なのだ。
2仮面ライダー響鬼の凄いところ。
『響鬼』では明日夢目線の日常描写も細かく描かれている。逆に明日夢以外の鬼たちの日常はあまり描かれていないが、それも明日夢目線のリアリティが増す効果を生んでいる。
また響鬼はとにかく強い。鬼に対し、豊富な技を持ち、状況により様々な手段を使いわけ戦っている。苦戦することがあっても豊富なバックアッププランを使い危機を脱し、再戦をしに行く。
とにかく強い熟年ヒーローの戦いを見たい人にもおすすめだ。
番組『仮面ライダー響鬼』の一番凄いところは、ヒーローに思想的、教訓的なことを日常的に言わせていることである。
本当はそういうことは言わせないほうが良いのだ。なぜならばそういうことを言わせると説教くさいと言われかねないし、何よりもヒーローに言わせるに足りる、万人が納得するようなことを考えるのはとても難しいのだ。
その対策として物語では登場人物にできるだけ具体的なことを言わせないという手段がある。それならば、見ている側が勝手に理想的な人物像を作り上げてくれるからだ。
しかし響鬼ではそういう手段に逃げず真正面からヒーローであろうとした。その作り手の姿勢を僕はとても尊敬する。
3 できることをできる範囲でするヒーロー響鬼
番組としての『仮面ライダー響鬼』はなんらかの理由で空中分解を起こしかける。理由は一ファンにはわからない。その中でなんとか持ち直し、ギリギリで最終回を向かることになった。
一部のファンの中では悪名高い後半だが、何とかいい作品を作ろうとするすごさを感じる。前半のテイストのまま一年間やって欲しかった。その作品を見たかったという思いももちろんあるが、後半だって結構良い作品ではある。
仮面ライダー響鬼は劇中レベルでも作り手レベルでもできることをできる範囲でできるだけしようとした作品だった(その結果やや爆発しかけた)。
少なくとも私は完璧な人間ではない。しかし時に周囲から完璧であるようなことを求められる時がある。それこそ劇中で響鬼があるような言動を求められる時がある。
僕はかっこいい人間でも完璧な人間でもないから、かっこいいことは言えない、それでも今の自分にできる範囲で精一杯のことを返そうとする。
その結果誰かにとって大切な思い出を作ることができたこともあるし、大失敗することもある。その後で反省する。
そういう時にふと、あの時めちゃくちゃすごいと思っていたヒビキさんも実はこういう感じだったのかなと思う。
僕が困った時や苦しんでいる時に手を差し伸べてくれたたくさんの人も、ヒビキさんのようにいろいろ迷っていたりしたのかなと思う。
劇中におけるヒビキたちの発言は決して正しい発言ばかりではない(間違っているとも言えない)しかしどれも、その時その時で伝えようとした内容を話した言葉だ。
胡散臭いとか偉そうだと言う意見だってもちろん理解を示すが、そうやって何もいわなくなったら終わりだ。
現実の人間関係においても、相手が言っていることが絶対正しいわけではないが、自分のことを思って言ってくれているんだという言葉と出会う時がある。
自分だって、正しいというわけではないけど、誰かに頼られ、何かを伝えようとすることがある。そういう時にふと響鬼を思い出すことがある。
これが私の『仮面ライダー響鬼』の楽しみ方だ。
特別コーナー
こんなこと言っちゃなんだが、仮面ライダー響鬼は出てくる女性が全員かわいい番組だもある、美女率の高さなら日本特撮でトップクラスいや一二を争うレベルと言ってもいい。もし特撮でかわいい女の子や女性を見たいのならだ。ダントツで響鬼をお勧めする。
またブロマンス度も非常に高い作品であり、そういうのが好きな人も必見だ。
響鬼は仮面ライダーのだが中身はウルトラマンに近い。仮面ライダーは苦手だけどウルトラマンは好きという人で興味がある人にもおすすめである。
キバの記事はこちら。