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「ドンシャインは古くない。なぜならジードの中で生き続けているからだ」『ウルトラマンZERO&ZEEDクロニクル』 『ジード』最終回スペシャル。『ジード』考察第四回 最終回のネタバレあり。

 

 本日ウルトラマンZERO&ZEEDクロニクルのジード最終回を本放送ぶりに見ました。本放送を見ていた頃精神的に疲れており、この話を見た時に思わず号泣してしまったことを思い出しました。
 その勢いで軽く感想記事を書こうとしたら超長文記事になってしまったので、全五回に分けました。この記事はそのうちの第四回です。

 

前回の記事はこちらです。

otomizusinnzi.hatenablog.com

 以下最終回のネタバレあり。

 

 

 

 

 

 


ジード』最終回においてリクは少年に「ドンシャインはもう古い、今はジードだ」と言われます。これはすごく不思議な発言です。なぜならばジードは初期から子どもには好評だったからです。それなのになぜあのセリフを入れたのか、ずっと気になっていました。
そこでいろいろ考えてみた結果を記事にしてみました。その結果『ジード』が大ハッピーエンドになる形が見えてきました。


この記事の内容はずばり「ドンシャインは古くない。ウルトラマンは古くならない」です。


 あのシーンにおいてリクはドンシャインのことがこれまで通り好きです。そのことから本編の最終回までのジードの活躍はドンシャインの強い影響化にあります。
 つまりあの少年が「新しい」と思っていたジードの中には、ドンシャインが宿っているのです。少年はそのことに知らないからドンシャインのことを古いと思っただけなのです。
 それは『ジード』の中にこれまで古いと言われてきたたくさんのウルトラマンの魂が眠っているのと同じようにです。例えば『ジード』には『レオ』のオマージュがあります。例えば一話で夜に水がある中で戦うなどです。『レオ』本編を今見た時に古いと思う人がいるかもしれません。確かに『レオ』は時代を感じる作品です。ところどころ今ではもう通用しないと言われるところもあるかもしれません。しかし決して時代遅れにはなってはいません。なぜならば『レオ』は『ジード』の中に(そして『Z』の中に)今も生きているからです。

おそらくジードも何年か後に、古いと言われる存在になります。しかしもしそのヒーローの中にジードがいるのならばジードは一見古く見えても実は古くならないのです。
 そしてその新しいヒーローの中でジード共にドンシャインそしてドンシャインが影響を受けたものなどが宿り続けているのです。
 『ジード』のメイン監督である坂本監督は『レオ』の大ファンとして知られます。またそもそもウルトラシリーズ自体50年以上も前の作品であり、人によっては古いと言われるものです。しかし作り手はそれらの作品を愛しているからこそ作っているはずです。
 そんな人たちが仮にも自分たちが愛していた言うならば「元ネタ」は古くって時代は自分たちが作った作品だ、と言うわけがありません。


ならば「ドンシャンは古い」発言は何を意味しているのでしょうか。


 それは『ジード』の最終回はこれまで模造品だと言われてきたジードがいつの間にか自分も模造される存在になったことを示しています。
 それが示すことはずばり「はじめは模造でもいいではないか」ということです。登場人物ジードはもちろん、作品としての『ジード』も50年前に流行ったテレビ作品を模造して作っています。それに8年ほど前に始まった『ゼロ』の要素や4年から作られている『ニュージェネ』の成功例を模造して作られています。言うならば模造だらけの作品です。
 しかし作品『ウルトラマンジード』として生を受けから『ジード』には命や個性が生まれていったのです。そもそも『ジード』が模造した作品もいろんなものを模造した上でできているのです。
このように『ジード』では模造品である自分と模造品を作る作り手自身を肯定した形で物語を終えました。
同時にこれからも続いて行くウルトラシリーズの中でいつかはジードも『初代ウルトラマン』や『レオ』や『ゼロ』のように模倣される存在になることを示唆しています。

さらに私たちがウルトラマンジードを愛している限り作品はウルトラマンジードも古くならないし、消えたりもしないということも言っているのです。

 


※パクリと模造品の線引きは非常に難しいです。私は『ジード』はである自分を肯定した物語だと思いました。
私個人としても生きていく上で何かを真似することは必要なことだと思います。しかし同時にパクリはするべきではないと思っています。ただその線引きは非常に難しいので、ここでは何となくぼかして書かせてもらいました。『ウルトラマンジード』は決してパクリではないと思いますが、この文章を読んでなんでも間でもパクリでいいんだと思われることは不本意であるということだけ書いておきます。

 

 

 

これまでの『ジード』記事です。読んで頂けるととても嬉しいです。

otomizusinnzi.hatenablog.com

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ウルトラマン』関連記事です。ファン同士で語っているような気持ちで楽しんでもらえればなと思います。

 

 

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