音水信二のはてなブログ

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『ウルトラマンR/B』を語る。

ウルトラマンR/B』についていくつかの記事を引用しながら語っていきます。
 私は『ウルトラマンR/B』は非常に惜しい作品だと思っています。『X』、『オーブ』、『ジード』とスタッフのノリが良くなってきていたこともありますし、役者もとても良かった。特撮やBGMも良かった。
 結果としてはやや合体事故になってしまったと考えています。なぜそう思うのか書いて行きます。

 

otomizusinnzi.hatenablog.co

より引用。

 

続く『R/B』は制作中に路線変更が行われています。インタビューなどから、もともとの『R/B』の内容を読んでみますとその内容はとても『ジード』はもちろん『ネクサス』よりも重い展開になっていたか可能性があります。
実際に放送された『R/B』は家庭円満であったはずなのに突然母が失踪した家庭を舞台にしています。母が失踪してから15年後のTシャツ屋をしている父親のもとで育った兄弟はある日ウルトラマンになってしまい怪獣と戦うことになります。
しかし普通の兄弟なのでどう戦っていいかわからず前半ではコメディ要素が強い戦いになりました。
作品全体を通して描かれるテーマは「家族の絆」であり、主人公たちの家族はところどころツッコミどころが多いながらも温かい家庭が描かれます。
主人公の父親は自分でデザインしたTシャツを作って販売しているのですが、あくまで絵を描いたプリントしているだけです。しかし自分ではそれがすばらしいものだと信じています。どこか頼れなく描かれている父親ですが、子どもたちのことも作品のことも本気で愛しています。
 この優しく、自分を愛してくれているんだけど、頼れず、Tシャツに絵をプリントして作品ができたとはしゃいでいる父親は、そのまま『ニュージェネレーション』の作り手と取ることができます。
 『R/B』ではそんな父親に育てられた兄弟が、いろんな敵を倒していくという物語です。
最終的には主人公兄弟の内兄はTシャツのデザインをしたいと思い勉強のため海外に行くところで終わります。
 これは自分たちの作り手を茶化しながらも肯定するということを描きました。その上で「『R/B』視聴者の一部は将来『ウルトラマン』の作り手なる可能性があるかもしれない」ということも描いています

 しかし当初の予定ではもう少しひねってありました。というのも実は兄弟の母親が敵だったという展開だったのです。さらに戦いの結果大切な人が消滅するという展開も検討されていました。
これは自分たち『ニュージェネレーション』の作り手対するアンチテーゼであったのではないでしょうか。
ウルトラマン』はもはや親子二代コンテンツとも親子孫三代コンテンツとも言われています。しかし同時に「いつまで『ウルトラマン』に熱中しているの?」というツッコミもされたりもします。
いつまでのTシャツ屋をしてTシャツにプリントするデザインを多少変えた程度で「作品だ!」「傑作だ!」とはしゃぐ父とそれをやや冷ややかに思いながらも付き合う息子のもとを失踪して対立する母親。
 前作『ジード』では悪のウルトラマンである父親との対立を描いていました。悪でもない普通の人間の親子同士の対立はよりハードなものになっていたかもしれません。
「家族の絆」、「家族の愛」と言っていた先にあるもの、『R/B』のOPテーマは全体的軽い感じなっていましたが、この内容を踏まえるとかなり深く意味深なものになっていた可能性があります。
 本編でもその当時の痕跡を感じることができます。それは最終回直前テレビ版におけるラスボス怪獣とも言える怪獣が登場し、いよいよ最終決戦だという時に、主人公の母親が現れて、家電を使って怪獣を封印してしまうのです。
 その後なんだかんだ言って封印は解かれるのですが、私はこのシーンを見て、おもちゃであったりテレビであったり、本であったりで熱中していた世界が一瞬で大人によって、終わりにさせられたことってあったなと思いました。
 なぜ本編では母親と対立する路線は変更されたのでしょうか。そは『ウルトラマン』のメインターゲットは誰かという問題です。あくまで私の考えですが、『ウルトラマン』(すくなくともニュージネェレーションシリーズ)は幼稚園児から小学生と彼ら彼女らを育てる子育てを行っている家族を対象にして作っています。もちろんそれらは原則として大人が見ても面白い作品です(たまにハズレもありますが)。
私はヒーローを必要としている人は誰だって『ウルトラマン』であったり、『仮面ライダー』や『戦隊』を見ていいと思います。
他の作品例えば『ポケモン』や『しまじろう』、『アンパンマン』や『トーマス』『プリキュア』や『セーラームーン』であってもです。必要としている人はいくらでも見ていいのです。「他人に迷惑をかけないのならば」自重する必要も遠慮する必要もありません。
しかし「大人」は自分で見るものを決めることができますが、子どもは見るものを自分で選ぶことが(あまり)できません。そのため『ウルトラマン』であったり『仮面ライダー』であったりといった子供向け作品が必要なのです。
子供向け作品は決して幼稚なものであってはなりません。その時、その時に合わせた予算と時間が許すかぎりの上質なものを作るべきです。その上で大人が見ても面白い要素を言えていけばいいのです。
例えば『ウルトラマンオーブ』では歴代のサブタイトルが毎回隠れて居たりしました。私が『ウルトラマンZ』の感想記事で書いている「ゴメスが~」とか「ラドンが~」とか「一期と二期の文脈が~」とか言っているのも、大人が楽しめる要素です。
 これは「漫画」や「ライトノベル」、「深夜アニメ」、富野由悠季や「ロボットアニメ」、「なろう系」、「ツイッターやインスタグラムなどのSNS」、「ブログ」などにも言えることですが、その作品を必要としている人のために本気で作った作品はどの作品も大人が見ても面白いのです。
子供のために本気で作っているからこそ、大人が見ても面白いのです。
具体的な人物名や作品名は出しませんがSNSで流行ったからと言ってそのネタを受けて番組内容を変えて、そのネタを繰り返したりすることはあまり感心できません。それはライブ感ではなく、流行りものを受け入れただけです。そんなことをしても子どもを騙しているだけだと思います。
もし『ウルトラマンR/B』の対象が小学校高学年や中学生、高校生ならば母親と対立する当初の計画で行った方が子供たちの心に一生残るような大切な宝物になったかもしれません。しかし今のウルトラマンはあくまで幼稚園児や小学校の低学園の子が家族と一緒に見るのがメインだと考えたところ、母親との対立は自粛されたのでしょう(私は一ファンなので書籍などから内容を予想することしかできません。そのためもしかしたら違う理由で自粛したのかもしれません。それこそ円谷の経営方針が変わっただけかもしれません)。

引用ここまで。

 

 元の記事ではあえて触れなかったのですが、『R/B』制作期間中に円谷プロでは社長が変わっていたりしています。新社長は円谷プロのブランド化を目指して活動している方です。その方も努力もあってか、近年『ウルトラマン』の勢いが上がっています。そのためその社長さんが悪いといいたいわけではありません。単純にそういう見方もできるよというだけです。また『ウルトラマンZ』では初めから最後まで最初に話を決めた上で撮影を始めています。これに対して『Z』メイン監督、田口監督はツブラヤギャラクシーのインタビューで最後まで分かっていた方が取りやすいと思うという趣旨のコメントをされていました。
 『Z』企画当時の最新作は『R/B』なためこの発言は『R/B』含むニュージェネ作品のことを触れている可能性が高いです。現在二話まで『Z』は放送されていますが、非常に面白いです。もしこのまま『Z』が大好評のまま終わったらそれは『R/B』の経験が生かされたと考えて良いではないでしょうか。

 

 

 さて『R/B』を語る上で欠かせない点は最終回放映前に劇場版の予告を放送したことがあります。これによりグリージョ登場が発表され、最終回のアサヒ関係のいろいろが言い方によれば全部茶番になってしまったということがあります。
 同時期の『仮面ライダージオウ』の劇場版が「公開まで」は徹底的な情報規制を成功したのに対し、『ウルトラマンR/B』映画の宣伝でもろネタバレしてしまった。
 このことはリアタイ『R/B』ファンとして語っておかないといけないと思います。そしてこのことが将来生かされたらなと思います。

 

 

 

次にこちらの記事を引用します。

otomizusinnzi.hatenablog.com

 

 

僕は生で『ウルトラマンR/B』のカツミ、イサミ兄弟を見たのは、大阪でのウルフェスで登場した時と、アリオ鳳での映画の試写会が当たった時の二回だ。どちらもテレビそのままのカッコよさとやさしさを感じさせてくれて、とても嬉しかった。
 今回はそのうち後者の時の話だ。2019年の3月、映画での試写会に合わせて、アリオ鳳ではルーブのキャラクターショーが行われていた。その時観客の子どもを舞台に上げて一緒にいろいろしてもらうという催しがあって、幼稚園ぐらいの子どもを舞台にあげていろいろなことをしていた。そしてお別れと言う時、舞台から降りてもらって、カツミとお別れしてようとしていた。
その場面をじっと見ていたのだけれど、子どもが、カツミに向けてグーの手を差し出した。カツミは一瞬「?」という感じになった後、すぐに気づいたように、手を出して、二人で手をぶつけたりした。ルーブタッチだ。『R/B』に登場する主人公たちがする握手のようなものだ。それをすると子どもは喜んだように帰っていった。
それを見ていて良かったなと思った。
もしカツミがとっさにルーブタッチを忘れたりしていたら子どもはいろいろ思うところがあったかもしれない。とっさにそれができたカツミを見て、スゲーなショーでも本人だなと思った。尊いという感じだった。

引用ここまで

 

 

 

ウルトラマンR/B』はキャストにもスタッフにも恵まれ予算も時間も十分にあった作品だと思います。だからこそ、本編の出来には少し惜しいなとも思います。

ウルトラマンR/B』には良いところもたくさんある作品です。僕にとっても思い出深い作品です。きっといろんな人にとっても大切な思い出がたくさん詰まった作品です。そんな思い出をこれからも大切にしていけるような生き方ができたらすてきですね。

 

 

 私が『R/B』で一番好きな回は『X』、『オーブ』、『Z』のメイン監督である田口監督が担当された第五話「さよならイカロス」です。ウルトラファンとしていろいろ感じるところがありました。ニュージェネでも一二を争うほど大好きな話です。ちなみに「さよならイカロス」と一二を争っているのは『オーブ』22話「地図にないカフェ」です。こちらは『タイガ』のメイン監督である市野監督が担当されました。

 

どちらもすばらしお話です。前後の話を知らなくても『ウルトラマンのフォーマット』を知っていれば楽しめるようになっています。

 『ウルトラマン』や『ニュージェネ』、『オーブ』、『R/B』を全部見る時間がないなという人にもぜひこの二話だけでも見て頂けたらと思います。

 

 

otomizusinnzi.hatenablog.com