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おすすめ作品紹介シリーズ 第三回 君は『柳川堀川物語』を知っているか?この作品がなかったらジブリは存在しなかった。制作3年、監督高畑勲、プロデューサー宮崎駿 宮崎駿が家を抵当に入れてまで制作した作品だ。 ドキュメンタリー映画

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 君は『柳川堀川物語』を知っているか?この作品がなかったらジブリは存在しなかった。制作3年、監督高畑勲、プロデューサー宮崎駿だ。時間はなんと165分、つまり2時間45分、およそ30分枠で放映されるテレビアニメ6話分だ。制作費には『ナウシカ』で儲けたお金がふんだんに使われているが、それでも足りず、プロデューサー宮崎駿である宮崎駿は家を抵当に入れた。

 その内容はずばり、柳川掘割の映像を映すドキュメンタリーだ。ドラマチックなエピソードや美しい俳優は存在しない。
 単純に柳川堀割の映像を流しながら、歴史や背景をナレーションで説明していく映画だ。

 この作品は当初1年の期間で撮影される予定だったのだが、高畑監督が凝った結果製作期間が3年になってしまった。宮崎駿はこのままでは家を失ってしまうと考え、鈴木敏夫に相談した。その結果借金を肩代わりしてもらうために出来たのがスタジオジブリであり『天空の城ラピュタ』だ。そしてその後『トトロ』や『火垂るの墓』が制作されることになる。
 ちなみにこの映画に宮崎駿が出資した理由は『ナウシカ』制作時に、鈴木敏夫が契約を上手いこといじくって宮崎駿に入るお金を増やした結果、宮崎駿は小金持ちになった。しかしそのお金を好き放題使ったらアニメーター仲間にいろいろ言われそうだ。そういわれたくないため高畑勲の映画に出資したら、借金を背負うことになってしまった。つまりジブリ高畑勲宮崎駿鈴木敏夫3人がいろんなことをした結果生まれた場所であるとも言えるだろう。またこれ以降ジブリは今現在まで高畑勲が使ったお金を宮崎駿が稼ぐという形にもなっているとも言える。
 
この映画の逸話の一つにこんなものがある。ある撮影中、柳川周辺に大きな豪華な家が見えた。高畑勲鈴木敏夫に言った。「宮崎さんもこの映画に出資しなければ、あんな家にすめただろうに」。


さてこの映画の映像はとても綺麗だ。序盤は見ていて綺麗な映像だなと思いながら見ているし、ナレーションが話してくれる話も面白い。30年以上前の日本を映した懐かしい映像もたまらない。
 しかし中盤になるにつれ、私は一体何を見せられているんだと感じる。時々アニメで説明パートが入るがそれがまたわかりやすいのが、日本のアニメ映画の巨匠二人が3年間もこれ作っていたのか?莫大な予算をかけてと思わざるおえない。
 このお金と時間があればもっとすごい映画が取れていたのではないかと困惑させられる。
 しかし私は、本作を最後まで見た後、『柳川堀割物語』はなんだったのだろうと思い返して考えているうちに作品に込められた力を感じることが出来でき、映像を見る、アニメを見る、映画をみるという姿勢そのものや考え方が変わった。
 また以後高畑勲作品、例えば『赤毛のアン』などを見た時なぜか絵が何倍も良くなった気がした。おそらくそれは高畑勲が好きそうな物語と共に高畑勲が好きそうな映像が流れてきた結果。以後高畑勲が好きそうな物語を見た時に、無意識の内に『柳川掘割物語』の映像を思い出すことができ、自然とアニメの映像と『柳川掘割物語』の映像が合わさりより綺麗な映像に感じることができたのだろう。
 もしかしてそういうことを考えた上でこの『柳川掘割物語』は作られたのかもしれない。

この映画を見て入ると、そしてこの映画のことを考えていると私の何かをつくるというものに対する関する考え方が変わった作品だ。
 アニメファンの方にはぜひ見てもらいたい作品である。

私はこの映画を2019年の夏に見た。その当時は今に比べて映像を見る力がなかった。今だってまだ成長過程だ。今後芸術や映像、文学などを勉強した上で、高畑勲の書籍や好きだと言っている作品などを勉強した上でもう一度読み返したいと思っている。

 

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