音水信二のはてなブログ

note https://note.com/otomizusinnzi/ やTwitter @quGbaUmdpQraIar で活動していました。

追記あり ウルトラマン、富野ファンの僕が『レディ・プレイヤー1』を見た時に抱いたこの描写どうなのと思ったところ。日本製コンテンツの扱いの悪さと最後のセリフへの反論。日本人は怒った方が良い?


金曜ロードショーで『レディ・プレイヤー1』が放送されました。なかなか面白かったですが、思うところが二つあったのでブログに書きます。

私は金曜ロードショー版を一度見ただけですし、スピルバーグにも詳しくありません。そのためスピルバーグファンの方からのツッコミは入ると思います。

 私が気になった点は二つあります。一点目ガンダムウルトラマン)とメカゴジラの扱いの悪さ。二点目は最後のセリフです。

以下映画版『レディ・プレイヤー1』のネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この映画におけるガンダムウルトラマン)とメカゴジラ、金田のバイクなど日本製のコンテンツはものすごく悪いです。
 金田のバイクはレースどんなにカッコよく活躍しても、ゴールには辿りつけませんでした。レースにゴールした時の姿は注意して描かれませんし、終盤においてもデロリアンと比べあまり活躍しません。
 またガンダムウルトラマン)とメカゴジラの扱いもかませです。私はそれらの作品のファンであり、これまで考察記事をブログに書いたりもしています。
 『ガンダム富野由悠季作品)』も『ウルトラマン』もロボットやヒーローからの自立を描いているともとれるので、ガンダムウルトラマンメカゴジラを倒しきれないのは、描写として問題ありません。しかしそれらの作品をリスペクトするならばメカゴジラのとどめは人間が行うべきでした(ガンダムならばそのうえでパイロットを救う行為を行えば文句なしなのですが、お祭り映画にそこまで期待できません)。
 しかし実際の映画ではメカゴジラのとどめは「アメリカで人気がある謎の巨大ロボット?(詳しいことは存じ喘げていないので知識的な間違いが含まれる可能性があります)」が行います。2020年7月9日追記 記事最後に追記します。 

 これによりガンダムウルトラマン)もメカゴジラも完全にかませとなってしました。これはオリジナルに対する知識の不足もしくは描写ミスであると言えます。
 もしわざとやっているとしたら日本に喧嘩を売っているともとれます。日本製のコンテンツはアメリカ製のコンテンツのかませですよ、と言っているようにも取れます。

 僕はウルトラマンを登場させなかった円谷プロの判断は(結果として)良かったと思います。ガンダム公式に対しては正直あなたたちそれで良いのとも思うのですが、それは今に始まったことではありませんし、こういうコンテンツが結果的に富野由悠季の面白い作品を作る予算であったり、名声であったりにつながるのならばと思うことにしています。


 最後のセリフについては僕は反論する立場です。私はコンテンツを見ることは修行であり、力をもらう行為だと考えています。
 そしてそれを見るペースはその人やその時期によって異なると思います。そのため毎日一日中見ることが必要な時もあれば、一週間に一度でいい時もあれば、半年に一度でいい時もあると思います。
 私は最終的には人は人や自然との関係を通して生きているべきだと思いますが、それを誰かに強制させ、規則をつけられてしたところで良いことはないと思います。
 また私はかつて引きこもっていた時期がありますが、その時に『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』や『機動新世紀ガンダムX』、『ガンダム Gのレコンギスタ』、津原泰水の小説や、椎名高志の漫画その他にも数えきれないほどのアニメや本や、漫画、映画、ブログ、動画、SNSなどに大変力をもらえました。それらを通して考え方が変わったりもしました。また2020年7月9日現在も毎日ガンダムの作り手の一人である富野由悠季監督の作品『聖戦士ダンバイン』を毎日一話ずつ見ています。それ以外にはウルトラシリーズの最新作『ウルトラマンZ』を毎週見ています。『Z』の感想や考察、予想記事を毎週ブログに投稿しています。作品を見たり、ブログを書いたりする中で新しい発見があります。

 それが理想的な暮らなのかはわかりません。万人が私と同じ生活をすれば良いとは思いません。しかし今の私にはそれらの作品が必要なのです。
 それを無理して毎週火曜日と木曜日は富野由悠季作品とウルトラシリーズに触れませんとしたところで、代わりに何かできるかどうかは別問題です。それは「遊んでないで勉強しなさい」と言い、子どもの能力をそぎ落とす毒親と変わりありません。

現実は大事です。しかしそれはいずれかで良いです。引きこもり経験者として言わせてもらえれば例え10年であるが30年であろうが引きこもっていても最終的にしあわせになれば良いのです。それには引きこもりをやめることが正解だとは限りません。ネットに引きこもりながらでも誰かにとって意味があることをしていればそれは現実に効果を及ぼすことであり、大事な現実の一部なのです。

 そのコンテンツにどのように触れるかは受け手が自分で考えて向き合った上で選ぶべきです。それは週に一回ひたすらコンテンツに触れまくる人もいれば、毎日1時間ずつ楽しむ人がいても良いのです。もっとも別に富野由悠季作品やウルトラシリーズを見なくてもその人がしあわせならば特に困ることないので、興味がない人はまったく見ていなくて問題ありません。ただ確実にそれに救いを求めている人も、それにしか救いを求められない人もいます。

 それを最後に最もらしく否定するような。そしてそれなりにイケメンの人が美女と抱きしめあってキスして終わりはそういう人たちへの裏切りとも言えます。もっともそういうことを描く自由はあります。私はそれを尊重した上で感想を言う自由を行使しブログを書いています。
 ただ私にはそれが『レディ・プレイヤー1』作り手たちがオタクである自分の中にある事故権を他に人に向けることで楽になっているように感じるのです。そういう態度がするのでいかがなものかなと思うのです。


 それは私が大好きなアニメ監督、富野由悠季監督にも言えることかもしれません。実際に同じようなことを90年代から0年代前半にかけて『ガンダムF91』や『新訳Zガンダム』で行っていますが、すでに富野監督は『キングゲイナー』や『Gのレコンギスタ』では次の境地へ向かっています(スピルバーグも『レディ・プレイヤー1』以外では様々なことをおこなっていると思います。そのためこの記事では『レディ・プレイヤー1』と富野由悠季作品全体の比較を純粋に書いているだけであり、スピルバーグの否定ではありません)。

同じような人として私が大好きな漫画家、椎名高志先生(私の解釈では)はオタクであり漫画家としてオタクの世界を広げている自分についてデビュー作以来、現在まで30年以上葛藤しつづけながら作品を作っている人です。その葛藤が作品にうねりを生んでおり、オタク(自己)批判とオタク(自己)肯定を同時にするという魅力があります。

反対に私が大好きな小説家、津原泰水先生はかつて自分が受けてきたいじめのようなことの苦しみを今でも引きずりながらも、苦しんでいる人たちに向けて優しい言葉を書いた作品を書いています。引きこもりを取り扱った『ヒッキーヒッキーシェイク』では安易な引きこもり否定は行わないところから物語を始めています。短編集『11』(名著です)に収録されている作品には何作か『レディ・プレイヤー1』に近いテーマが描かれていますが『レディ・プレイヤー1』とはまったく異なる展開をしています。

もっとも劇中人物の発言が作り手の主張とは限らないです。まんまとスピルバーグの釣り糸に引っかかったのかもしれません。
 また私がまだスピルバーグの作品をそこまでみたことない状態でこの記事を書いています。将来的にスピルバークの他の作品を読み返したり、海外の文化を知っていくなかでこの映画の評価はまったくことなったものになるかもしれません。

『レディ・プレイヤー1』なかなか面白い映画でした。だからこそ弱っている心にこういう映画は危険だと思ったのでこの記事を書きました。
 私は基本的に映画は見たいときに見れば良いものだと思っています。そのためこのコンテンツは今は見えませんと言うようなやりかたはあまりすきではありません。弱っている時にはいつでも見られるようにすれば良いのです。
 しかし元気な時に週5で見る必要性があるのかはわかりません。
 私は弱っている人に向けて映画は作れば良いとも思っているので、弱った人のことを考えているようで、実は強い人に向けて作られており、更にそんな強い人を週5で楽しませるようなコンテンツにも疑問を感じます。
 私ならばもっと弱っている人に向けた作品にします。しかしそれは人それぞれが自分が一番良いと思うものをするので良いのだと思います。
 なんだかんだいってブログ記事を書くぐらいには、この映画のことが印象に残っています。

 

2020年7月9日追記

 私がこの映画であまり好きでない部分は、自分を求める人の内、都合の良い人だけを歓迎して、都合の悪い人を批判しているところです。しかし都合の良い人は本当は映画を求めておらず、この映画が公開されなくてもあまり困らないのです。そして都合が悪い人こそ本当はこういう映画を必要としているのです。

 にもかかわらずこの映画は自分にとって都合の良い人たちを金づるにしています。現実が一番大事ならばゲームは週に5日間ではなく、週に一度でも、全くしないでも問題ないところを週に5日間としているところがこの映画の違和感を表しています。

 そしてこの映画に救いを求めた人に一番言われたくないことを言い放ったのです。それっていかがなものでしょうか(同じ批判は私が好きな監督である『ガンダム Gのレコンギスタ』放送直前の富野由悠季にも言えます)。

 私はこの映画がおすすめかどうか聞かれたら、面白いけどこの内容を見たいなら『OVERMAN キングゲイナー』を見た後『Gのレコンギスタ』を見たほうがおすすめだと言うと思います。

 

2020年7月9日 追記

 コメント頂きました。

 

グダさんより。

b.hatena.ne.jp

  細かい注釈ですが、アメリカ産のアイアン・ジャイアントさんも戦闘が嫌いな知能を持つロボットだったので。モビルスーツみたいに操縦するのはちょっとかわいそう

とのことです。私が本文で「アメリカで人気がある謎の巨大ロボット?(詳しいことは存じ喘げていないので知識的な間違いが含まれる可能性があります)」と描写したロボットはアイアン・ジャイアントという絵本を元にした映画の登場人物で『レディ・プレイヤー1』と違い戦闘が嫌いな知能を持つロボットであったそうです。

 原作をしらず映画しか見ていない私からすれば『ターンエーガンダム』のホワイトドールのようなものだと思っていましたが、どうやらドラえもんコロ助のように人工知能があるロボットのようですね(ネットで調べただけなので知識的な間違いがあるかもしれません)。

 例えるならば巨大ドラえもんに乗り込んで、格闘技でメカキングコング(今考えました)を倒したのち巨大ドラえもんが破壊されるみたいなものなのでしょうか(ネットで調べただけなので知識的な間違いがあるかもしれません)。

 それで良いのでしょうか。私は日本のコンテンツに詳しいので、日本のコンテンツがディスられていると感じましたがもしかしたらこの映画登場するコンテンツはすべて少しずつディスられているのかもしれません。

 スピルバーグと縁が深いデロリアンもかっこいい活躍をしましたが、クライマックスまでそれで戦うわけではありません。また序盤の活躍はダジャレをかけているとは言え、ひたすらバックしたのちにゴールにたどり着きます。

 そのルートでは『ゴジラ』(円谷英二)に影響を与えたという点ではオタクコンテンツの元祖のひとつとも言えるキングコングはそのルートではスルーされます(たしかジェラシックパークの恐竜もレースにいましたが、それもスルーされています)。

 

以下映画『レディ・プレイヤー1』のクライマックスのネタバレあり。

 

最終的にはこの映画ゲーム世界の決戦の星が惑星破壊爆弾(?)的なもので惑星が滅びます。そのためあの最終決戦にいたキャラクターは全員死亡しています。その点では活躍場面があったガンダムウルトラマン)は扱いが良かったとも言えます

 

 そして全部滅びた後、自分とゲームだけの関係になり、その上でゲームの中にある『イースターエッグ』=作り手のメッセージ性を受け取ってゲーム世界の物語は終わります。このことが何を意味するかはこの記事の範囲を超えているので、今は書きません。

 

 この映画を見たオタクはもしかしたら二つにわけられられるのかもしれません、一つは純粋にこの映画を楽しめる人。もう一つは私のようにこの映画についていろいろ思うことがある人。

 もしかしてこの映画は私のようないろいろ思うやつらはこの映画見るのをやめて独立したらという映画なのかもしれませんね。

 だったら俺の思い出のコンテンツで客引きするなよ。それってどうなんだよ?と思うのですが。それに本文でも書いた通り、そういう人たちこそが本当はこの映画を必要としていると思うのですが。

 

 

 

最後にコメントをくださったグダさんの『レディ・プレイヤー1』記事のリンクを貼っておきます。私とは違う切り口で面白い記事を書いています。この記事を読まれた方は是非こちらもご覧ください。

nuryouguda.hatenablog.com

私がツイッターでこの記事を引用ツイートした時のコメントも添えておきます。

この記事の面白かったところを引用。
「現実を見ろっていうんなら、ヒロインとキスするより、ブレンパワードのように畑を耕すべきでは?」
そして記事は衝撃の結末を迎えるのだが、本人がそれでしあわせであるならばそれで良いのだ

 

  最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

好きなアニメの解説記事です。 

otomizusinnzi.hatenablog.com

私がおかしくなったと、いろんなコンテンツに救われた頃の話です。

otomizusinnzi.hatenablog.com

 

 おすすめ記事です。

otomizusinnzi.hatenablog.com

otomizusinnzi.hatenablog.com

 

 

最近バズった記事です。

otomizusinnzi.hatenablog.com

otomizusinnzi.hatenablog.com

otomizusinnzi.hatenablog.com