音水信二のはてなブログ

note https://note.com/otomizusinnzi/ やTwitter @quGbaUmdpQraIar で活動していました。

『ガンダム Gのレコンギスタ』感動のラストを語る!!!

今回はそんな『Gレコ』のラストがいかに素晴らしいかということについて語っていきます。以下ネタバレありです。『Gレコ』はとても面白いので、ネタバレを見たところでも楽しめることはできると思いますが、興味がある方はこちら方一話を無料で見ることができます。

 

以前書いたGレコをおすすめする記事です。

otomizusinnzi.hatenablog.com

 

以下ネタバレ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 物語には様々なラストがあります。「いろんなことをした結果いつまでも幸せに過ごしました」もあれば「みんな不幸になってしまいました。こうならないためにはどうすれば良かったのでしょう」という話もあります。
 また初代ウルトラマンのように「主人公は居なくなってしまったので、これからは私たちが頑張っていこう」という話もあります。


『Gレコ』は「主人公はいろんなことを成し遂げたけど、何か得ることはなかった。でも元気でやっていればいつか何かを得ることができる」という終わり方をしました。

なぜ『Gレコ』はこのような終わり方になったのでしょうか。主人公はお姫様と結婚していつまでも幸せになりましたという終わり方でも良いはずなのに。それは受け手が物語を見ていて、何か物理的なものを得ることはありえないからです。

物語には様々な力があります。人の心を癒したり、傷つけたり、夢を与えたりします。希望を作ったり、人生を変えたりします。物語を読む時間は無駄だなんて言う人もいますが、私はそうは思いません。物語には強い力があるのです。


ただしかし物語の中で何かを得たところで、私たちは何も変わりません。そんな物語の中で快楽を不必要に与え続けた場合どうなるでしょうか。物語を必要としている人たちがその物語に依存してします。
終わらないなかで行われる果てしない課金コンテンツだってあります。受け手を搾取しているとしか思えないコンテンツだってあります。しかしそれを求める人は本気に癒しを求め、生きがいをしているのです。
そのため急にそういうコンテンツを規制したところで、急に生きがいを奪うだけになってしまうのです。
「そんなコンテンツやめろ」と言ったところと言ったところで、彼ら彼女らは自分を否定されたと思い発狂してしまいます。
ガンダム』だってそういうコンテンツの一部であるという事実を否定することはとても難しいことなのです。


癒しについて『Gレコ』の総監督 富野由悠季はこちらの有料動画で話しています。
https://www.nicovideo.jp/watch/so32361073?ref=search_tag_video&playlist=eyJpZCI6InZpZGVvX3dhdGNoX3BsYXlsaXN0X3NlYXJjaCIsInNlYXJjaFF1ZXJ5Ijp7InR5cGUiOiJ0YWciLCJxdWVyeSI6IuWuh-mHjuW4uOWvmyIsInBhZ2UiOjEsInBlclBhZ2UiOjMyLCJzb3J0IjoiK24ifX0&ss_pos=5&ss_id=de464501-4710-4110-82bd-ee766b300539

余談ですがこの動画は全体的に絶妙に話がかみ合っていないのがまるで富野アニメみたいだなと思います。


批評誌『PLANETS』の編集長 宇野常寛の「ネトウヨは卑しいと思うか」という趣旨の問いを聞き間違えて「ネトウヨは癒しだと思う」という趣旨を答えました。

 その後聞き間違えたことに気づいたのかでも癒しは卑しいと思うという趣旨と答えました。
もし自分の気持ちを何かにぶつけ、持論を語るような人ならばここで「ネトウヨは卑しい」と切り捨ててしまうのですが、そこで終わらせず「癒しだ」と言ってから「癒しは卑しい」と答えるあたりさすが富野由悠季だな思います。

 ちなみに富野由悠季は過去に『ターンエーの癒し』という自伝のようなものを書いています。癒しであると同時に、すごいことが書いてある本でした。

 

 

『Gレコ』のラストシーン
 『Gレコ』にはベルリの他に影の主人公と呼べる人がいます。それはノレドです。ノレドは最初から最後までベルリについてきて一緒に冒険します。しかし終盤までMSや戦艦を操縦することはなければ、アイーダのように演説をするなり説得をするなり何か活動をし重大な局面に影響を与えることもありません。終盤にGルシファーを操縦しますが、ラライアが操縦しているのを助けているという感じで、クリムやミックのように一人でじゃんじゃんMSを操縦し物語を進める役割ではありません。ノレドは言うならば視聴者に一番近い立場の人物なのです。

『Gレコ』のラストシーンではベルリは争いを終わらせてめでたしめでたしとなった直後、ベルリが失恋から立ち直れていないことが示唆されます。そして友人であるノレドに声もかけずチュチュミィを残して、たった一人で出かけていきます。
 
チュチュミィとは何なのでしょう。
本編中チュチュミィは活動不能状態になっていたラライアが見て楽しんだりしています。
疲れている時に癒されるもの、もしかしてチュチュミィはアニメや娯楽、言うならば『Gレコ』その物なのかもしれません。

私たちは『Gレコ』を見る中で、ラライアがチュチュミィを見ながらいつの間にか復活したように、「癒されていく」のかもしれません。

そんなチュチュミを渡したベルリは、主題歌『Gの閃光』がかかる中、立ってみて歩かず、機械に乗って山を登り始めす。それでいいのかというところですが、それでいいのです、『Gの閃光』の歌詞は言葉通りにとるものでなくていいのです。

そして片道15分で富士山(と呼ばれている山)を登り、機械でガガガガガって地面を削りながら下っていきます。これも見る人が見たら発狂するマナー違反行為です。

 この片道15分ということが面白いです。片道15分ならば、往復は30分、テレビアニメ一話の放送時と同じです。そしてそれを案内するのが富野由悠季総監督が務める禿のおじさんです。

ベルリが『Gレコ』本編で戦い、成長していく途中、視聴者は『Gレコ』という作品を見ています。その見ている中でいろんな考え方や見方や元気を与えてもらいます。
 しかしそれはあくまでアニメを見ているという行為でしかありません(ただ何かを見ていたという行為もとてもかけがえのない大切なものだと思います)。
『Gレコ』ラストシーンでは、そんな『覚醒』のシーンを露悪的にならず、やんわりと優しく伝えています。そしてさらに見ている人が元気になるような雰囲気になっています。


作品を見る時、何を求めるかは時と場合と人によって異なりますが、本当に必要としている人は何かを求めて見ているのだと思います。私が『Gレコ』を見始めた時は精神的に辛い時期でした。そんな中で同じく辛い経験をしながらも戦っていくベルリを見て気持ちが楽になっていきました。そして最終回で何かつきものが取れたような感じがしました。

アニメの主人公が幸せになっても、決して私が幸せになるわけではありません。では不幸になる物語がいいのかと言えば、かつて富野監督はそういう話をたくさん作ってきましたが、それが必ずや良いとは限りません。

『Gレコ』のベルリもノレドも本編中結構すごいことをやり遂げますが、決してすべてが満たされたわけではありません。それは何かを求めて作品を見ている視聴者とも重なります。
ラストシーンではベルリの隣に誰もいません。ノレドだってほってかれました。かわいそうではあります。しかし二人はなんだかんだ言って将来しあわせになりそうな感じで終わります。それは見ている側にとって希望にもなります。
 私は今ベルリやノレドのような状態だけど、そのうちしあせになれるかもしれないなとベルリ、ノレドなどたくさんの『Gレコ』の人物や世界を通して感じさせられます。
 もしラストシーンであの二人が一緒に歩いていたのならば、それはあの二人は相手がいるから将来に希望が持てるんだという意味合いになるかもしえません。
だから私はあの終わり方で良かったと思います。あの終わり方だからこそ、『Gレコ』が大好きなのだとお思います。

しかし大好きな作品は心の中にずっと残っています。そのため私はベルリたちと二人三脚で歩いているとも考えられます。『ふたりのまほう』ってそういうことなのだと思うのです。そう考えたらラストシーンでベルリとノレド二人で歩いているのもいいかもしれませんね。

 

 

 

『Gレコ』が好きな方におすすめな小説です。読みやすいし、おもしろいです。

otomizusinnzi.hatenablog.com

 

 

 

 

『Gレコ』「感想」はこちら。視聴中の初々しい感想が見れます。

otomizusinnzi.hatenablog.com

otomizusinnzi.hatenablog.com

otomizusinnzi.hatenablog.com

otomizusinnzi.hatenablog.com

 

次回作を予想する雑談記事です。 

otomizusinnzi.hatenablog.com

 

 

『Gレコ』「解説」記事はこちら。

 

otomizusinnzi.hatenablog.com

otomizusinnzi.hatenablog.com

otomizusinnzi.hatenablog.com

otomizusinnzi.hatenablog.com

otomizusinnzi.hatenablog.com

otomizusinnzi.hatenablog.com

 

イデオン』記事はこちら

 

otomizusinnzi.hatenablog.com

otomizusinnzi.hatenablog.com

otomizusinnzi.hatenablog.com

otomizusinnzi.hatenablog.com

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。